小児歯科

当院が考える小児歯科の目的

小児歯科は、著しく成長・発達していく子どもたちが、良好な顎・顔面の機能と形態を獲得し、口腔領域の健全な発育を支援していくことです。

小児歯科治療では、基本的に数ヶ月間隔の検診で対応していきます。 その目的は、予防だけではなく、お子さまに歯医者さん、歯科治療に慣れてもらい、「怖くない・痛くない」という経験を得てもらうという目的もあります。

幼少期に歯科治療で痛い思い・嫌な思いを経験すると、歯科医院や歯科治療に対しネガティブな印象を持ってしまい、成長し成人になったとき、「歯が痛くなければ行きたくない」、「歯が痛くても我慢する」といった、意識や価値観をもち、自身の口腔衛生状態に対し悪影響を与えてしまう危険性があります。

そのような事態にならないため、それぞれのお子さまに歯医者さん・歯科治療は怖くない、大人になっても歯科医院を身近な存在として認識してもらうこと、これも当院の小児歯科の目的と考えています。

小児歯科の治療方針について

当院では小児歯科の治療方針として、予防歯科、リスクの把握、口腔機能と歯並びの育成、摂食機能の発達・発育の支援、虫歯治療などを中心に行ないます。

小児歯科で対応している治療について

予防歯科の内容として、3~6ヶ月の口腔清掃、クリーニングやポリッシング、フッ素塗布、シーラント処置、親・子への口腔清掃指導・ブラッシング指導など、歯科医師・歯科衛生士が必要に応じて行います。

また、食生活や生活習慣における注意事項などの説明を行います。
虫歯や口腔機能のリスクを把握するために、食生活だけでなく噛み合わせや歯並びの問題、舌や口唇や頬の動きなどの口腔習癖の有無、問題が無いかどうかも確認していきます。問題があった場合は、矯正歯科担当の先生と連携をとって、予防や治療を行なっていきます。

親御さんが気をつけるべきこと4つのこと

「子どもの虫歯は親の責任」です。まずは、この価値観をご夫婦で共有していただきたいと思っています。小児の虫歯の原因は、食習慣・生活習慣、お子様の歯みがき、親御さんの歯磨きです。

食習慣

飲食回数が多く、ダラダラと継続的に飲食をする行為は、虫歯になりやすい習慣です。一口食べ物や飲み物を口にすると、飲食後約30分程度は口腔内のpHが酸性に傾きます。飲食回数が多いとその回数分、口腔内のpHが酸性に傾き、その間隔が短いと口腔内のpHが常に酸性に傾いたままとなってしまいます。酸性に傾いている時間が長いとを溶かしていき、虫歯になってしまいます。

生活習慣

就寝前に飲食をする行為も虫歯になりやすい習慣です。酸性に傾いた口腔内のpHは、唾液の機能によって時間をかけて中性に戻っていきます。しかし、就寝すると唾液の分泌量が大きく減少し、唾液の機能も低下します。

つまり、口腔内のpHが酸性に傾いたまま寝てしまうと、就寝中は唾液の機能が著しく低下し、虫歯になりやすい環境のまま長時間を過ごしてしまうことになります。

お子様の歯磨き

子どもは自分ひとりで、歯をきれいに磨くことはできません。子どもにひとりで歯みがきをさせる目的は、「歯みがきをする習慣を身に着ける」ためです。実際に子どもひとりでは上手に磨けていないことがほとんどです。両親が仕上げ磨きをしてください。仕上げ磨きをするのか、しないのかは、親の意思で決めてください。仕上げ磨きをせずに虫歯ができてしまったら、それは親の責任と理解してください。

親御さんの歯磨き

虫歯の原因菌は、両親や周囲の大人から感染します。乳歯が生えてくる前の子どもの口腔内には、虫歯の原因菌はほとんど検出されません。

虫歯の原因菌は、歯に生着するものなので、歯のない口腔内には、虫歯の原因菌は生着できません。乳歯が生え初めたころ、両親や周囲の大人の口腔内細菌が子どもに感染します。

つまり、口腔内が清潔に保たれている両親の子どもは、虫歯や歯周病の原因菌に感染するリスクは低く、反対に口腔内が清潔に保たれていない両親の子どもは、多くの虫歯や歯周炎の原因菌にさらされることになり、リスクが高くなります。

子どもの歯磨きも大事ですが、ご両親の歯磨きも非常に大事です。すなわち、「子どもの虫歯は親の責任」この価値観をご夫婦共有していただければ、お子さんの口の中も守れると考えています。

親御さんの中には、もう手遅れかもしれない・・・と思ってしまうかもしれませんがご安心ください。まずはしっかり予防をしていきましょう。当院では年4回(3ヶ月に一度)の定期健診とフッ素塗布をおすすめしています。